モンテカルロ法とは、乱数を使って「起こり得た結果」を何千通りも生成し、 結果がどのくらいばらつくかを分布として見る計算手法のことです。EAの検証では、 バックテストの取引列を並べ替えたり引き直したりして、損益曲線・最大ドローダウン・ 連敗数が偶然でどこまで振れるかを見積もるのに使います。
バックテストの損益曲線は、その取引がその順番で出た1通りの結果にすぎません。 同じ取引でも順番が違えば、途中の落ち込み(ドローダウン)や連敗数は変わります。 実運用で同じ性質の取引が別の順番で出たとき、どのくらいの落ち込みまでが「普通」なのかは、 1本の曲線からは読み取れません。多数の曲線を作って分布にすると、それが読めます。
やり方は大きく2つあります。並べ替えは同じ取引の順番だけを入れ替える方法で、 最終損益は変わらず、途中の落ち込みと連敗の分布が得られます。ブートストラップは 元の取引から重複を許して同じ件数を引き直す方法で、どの取引が何回出るかも変わるため、 最終損益もばらつきます。「同じ性質のEAをもう一度回したら」に近いのは後者です。
期待バンドはブートストラップで作ります。 事前バックテストの取引リターンから5,000本の損益曲線を引き直し、トレード番号 ごとに5・25・50・75・95パーセンタイルを求めます。図に描くのは5・50・95の3本です。 同じ5,000本から最大ドローダウン(最大DD)の95%点も求めて保存し、レポートから最大DDを 読み取れない場合はこれがステータス評価のDD基準になります(基準の優先順位は 確定(クローズ)ベースの指標の記事を参照)。 乱数の種は固定しているため、同じバックテストからは毎回同じ帯ができます。
リスクタブでは、バックテストの取引から実運用と同じ件数を引き直して作った 最大連敗数の分布と、実運用の最大連敗の位置を並べます。実運用の連敗が分布の 右裾を超えるほど「バックテストの想定外の連敗」です。詳しくは 乖離モニタリングと 確定ベースの指標をご覧ください。
引き直しは取引どうしが独立であることを仮定します。実際には連敗が続きやすい (系列相関がある)EAもあり、その場合の連敗は分布より長くなりがちです。また分布は 元のバックテストの性質をそのまま引き継ぐので、バックテストがカーブフィッティング (過剰最適化)されていれば分布も楽観的になります。5%点や95%点は「起きない」という意味では なく、引き直した曲線の20本に1本はそれを超えるという意味です。表示される内容は過去データにもとづく統計的な情報提供であり、 投資助言ではありません。
期待バンドは、モンテカルロ法の一種であるブートストラップで作った帯です。事前バックテストの取引を5,000回引き直し、トレード番号ごとの分布から帯を描いています。
5,000本です。乱数の種を固定しているので、同じバックテストを登録し直しても同じ帯になります。本数を増やしても帯の形はほとんど変わりません。
期待バンドとは、運用開始前のバックテストの取引列から統計的に作った「実運用の成績はこの範囲に収まるはず」という帯のことです。作り方と読み方を解説します。
最大ドローダウンとは、資産が過去の最高値からどれだけ落ち込んだかの最大値です。確定ベースと含みベースで値が変わる理由を解説します。
アウトオブサンプル(OOS)とは、パラメータの最適化に使っていない期間のことです。EAの検証でなぜ必要か、BT-OOS比較の考え方を解説します。
事前バックテストから作った期待バンドとライブ実績を突合し、EAごとの乖離ステータスを自動更新。「想定どおり動いているか」を統計で確かめられます。
ドローダウン等の指標をクローズ(確定)ベースで統一。含み損益に揺らされない一貫した評価軸を提供します。
最終更新: 2026-09-11