スリッページは注文価格(要求価格)と実際に約定した価格の差、スプレッドは 売値(Bid)と買値(Ask)の差で、どちらも取引のたびに成績を削る執行コストです。 バックテストではこの2つが理想的な条件で扱われることが多く、実運用との差が そのまま「バックテストでは勝てるのに実運用では残らない」の原因になります。
多くのバックテストは固定スプレッドか現在のスプレッドを使い、注文は指定価格で 即時に約定したものとして扱います。実運用では、早朝や指標発表時にスプレッドが数倍に 広がり、値が飛ぶ場面では不利な方向に滑ることが多く、約定拒否やリクオートも起きます。 さらに手数料は取引ごとに、スワップは持ち越した日数に応じて(受け取りになる場合も あります)差し引かれます。スプレッドやスリッページの差は1回ごとには小さくても、 取引数に比例して積み上がります。
目安は1取引あたりの平均損益(期待値)と往復コストの比較です。平均損益が 2 pipsのEAで、スプレッドが平均1 pips広がり、往復で0.5 pipsのスリッページが乗れば、 利益の4分の3が消えます。平均損益が20 pipsのEAなら同じ悪化でも1割弱です。取引の 頻度が高く、1回の利益が小さいEAほど、執行コストの影響を強く受けます。
コレクタEAは約定履歴と一緒に、要求価格と約定価格 (MT5のみ。MT4は履歴に要求価格が残らないため送りません)、建玉時のスプレッド (コレクタ稼働中に建った玉のみ)、手数料とスワップを送ります。執行タブでは 不利方向を正としたスリッページと実現スプレッドの推移、銘柄別のスリッページ要約 (件数・不利側の平均・最悪値・有利に滑った割合・記録の分解能)を表示し、評価コメントを 付けます。平均スリッページが不利側に偏っている場合は、ステータスが下振れ注意のときの 根拠にも「執行品質の劣化」として出ます。
実運用と同じ期間のバックテストを登録すると、検証タブで日付軸に重ねて 「同じ相場でロジックは本来どう動いたはずか」との差を見られます。同じ期間・同じ相場 なので、差の主因は執行とデータです。詳しくは ライブ × バックテスト比較と トレード分析をご覧ください。確定損益は手数料・ スワップ込みで記録するため、PFや期待値はコスト控除後の値です。
スリッページとスプレッドは価格単位の値で、USDJPYの0.001とEURUSDの0.001は意味が 違います。執行タブの評価コメントと推移図は全銘柄をまとめた値なので、複数の銘柄を 扱うEAでは銘柄別の要約表を併せて見てください。記録の分解能(桁数)が粗い銘柄では 小さな滑りは残らず、分布が階段状に見えることがあります。 スプレッドは建玉時の値で、決済時の値は残りません。表示される内容は過去データに もとづく統計的な情報提供であり、投資助言ではありません。
MT4は約定履歴に要求価格が残らないため、スリッページは算出できません。実現スプレッドと手数料・スワップのコスト比較で代替します。MT5では注文の要求価格が履歴に残るため、スリッページも送信されます。
建玉時の値です。決済履歴には約定時のスプレッドが残らないため、コレクタEAが建玉を初めて見た時点の値を保存して決済時に送ります。コレクタの稼働前に建った玉には値がありません。
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最終更新: 2026-09-11